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インタビュー
演目と主な配役



 歌舞伎十八番の『外郎売』は二代目市川團十郎が初演した役で、久しく絶えていたのを昭和55年に野口達二が改訂台本を作り、現團十郎が復活上演しました。前半は外郎という名前の薬を売る男が薬の効用を早口言葉で述べる雄弁術が聞きものです。後半は本性を明かした曽我五郎が工藤に詰め寄る荒事が見どころとなります。市川家の家の芸で、海老蔵は初舞台でこの役を演じ、それ以来当たり役にしています。富士山の見える初春の大磯の廓を舞台に、歌六の工藤左衛門祐経をはじめ、曽我狂言お馴染みの人物が勢揃いする華やかな一幕です。


 河竹黙阿弥作の長唄舞踊です。能を模した松羽目の舞台で、前半は2人の狂言師が文殊菩薩の聖地である清涼山とそこに架かる石橋、菩薩の眷属である霊獣獅子の姿を格調高く踊ります。続いて、獅子がわが子を谷底に蹴落とし、自力で駆け戻った子だけを育てるという伝説を見せます。谷に蹴り落としたものの様子を案じる親獅子、谷川に映った親の姿を見て健気に崖を駆け上がる親獅子、谷川に映った親の姿を見て健気に崖を駆け上がる仔獅子の姿が感動を呼びます。間狂言の宗論は、宗派の違う2人の僧が口論する内に互いに念仏とお題目を取り違える可笑しさを描いています。後半は親子の獅子の精が登場して獅子の狂いを見せます。右近と猿弥の息の合った演技をお楽しみください。


 三世瀬川如皐作の江戸世話物の名作で、歌謡曲「お富さん」にもなったお富と与三郎の物語です。お富と与三郎は相愛の仲でしたが、密会の現場をお富の旦那に見つかり、与三郎は命だけは取り留めたものの、身体に無数の傷を負わされました。それから3年。2人はお富が住んでいる「源氏店」で思いがけず再会します。与三郎がその傷を見せながらお富に恨みを述べる「しがねぇ恋の情けが仇」に始まる長台詞が聞きものです。江戸狂言らしい粋な味わいの中で展開する男女の数奇な運命を退廃美豊かに描いた作品で、海老蔵の与三郎、福助のお富、そして、團十郎の多左衛門という顔合わせです。


 竹田出雲作の浄瑠璃を歌舞伎に移した狂言で、通称を「」と呼ばれています。古くから伝わる「信太妻」伝説を仕組んだ物語です。安部保名に一命を助けられた白狐が許嫁のに化けて保名と契り、童子という子までもうけます。しかし本当の姫が訪ねてきたため、童子を夫に託し、別れの歌を残して古巣へと帰っていきます。「子別れ」の悲劇を、狐の本性を見せる様々な技巧を使って描いていく面白さと、障子に残す歌を曲書きで描く場面が見どころで、芝雀が演じます。


 歌舞伎十八番の中でも最も人気のある作品です。兄頼朝に追われた義経は山伏姿になって安宅の関に差し掛かります。関守の富樫は弁慶に勧進帳を読ませ、山伏についての問答をしかけます。やっと通行の許可が出たものの番卒が義経を見咎めたため、両者は一丸となって詰め寄ります。必死に主君を守ろうとする弁慶の姿に心打たれた富樫は、義経一行と知りつつ通行を許します。主従がほっと一息ついたところへ再び現れた富樫は弁慶に酒を勧め、弁慶はその情に感謝しながら酒を飲み延年の舞を舞います。富樫の名乗りにはじまり、弁慶の飛六法の引っ込みまで見どころに溢れた一幕です。智勇を兼備した重厚な弁慶を團十郎、情と勇を備えた颯爽とした富樫を海老蔵、悲運の貴公子義経を福助が演じます。


 大佛次郎が昭和26年に書いた戯曲です。絶世の美女と謳われた唐の楊貴妃の数奇な運命を綴った作品です。田舎の寺院でひっそりと暮らす天真は、時折やってくる美男の高力士に密かな思いを寄せていました。ところがその高力士の計らいで、玄宗皇帝の妃になることになり楊貴妃の名を与えられます。実は高力士は男性の機能を失った宦官だったのです。普通の愛を貫けぬ男女の複雑で屈折した愛と憎しみを軸に物語が展開するところに、作者の独創と視点があります。本来7月に新橋演舞場で演じ大きな評判になりました福助の楊貴妃、海老蔵の高力士に、今回は歌六が玄宗皇帝を演じる舞台です。

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