長期間、都を留守にし久々に帰京した鈍太郎は、下京の本妻と上京の愛人のもとを訪ねて声を掛けてみますが、二人とも本物の鈍太郎だとは思わず、別の男と結婚してしまったと嘘をついて鈍太郎を追い帰します。落胆した鈍太郎は出家して修行の旅に出ることにしますが、二人の女は最前の男が鈍太郎だったことに気づき、彼が通りかかるのを待ちます。出家を止まらせようとする二人に向かい鈍太郎は、自分を大事にさえしてくれれば出家はしないと言い、月の内の半分ずつをそれぞれの家で過ごす事にして、二人の女の手車に乗って意気揚々と引き揚げていくのでした…。
源義経は、平家を亡ぼしたにもかかわらず、つまらない讒言がもとで、兄の頼朝との仲が不和となり、船で西国に落ち延びようと、武蔵坊弁慶とわずかな従者だけで尼崎大物浦へと急ぎます。そこへ静御前が義経のあとを追って来ますが、義経は静に都に帰るように命じます。静は盃を交わし、別れの舞を涙ながらに舞います。
義経一行が出航しますと、にわかに暴風になり、海上に平知盛の怨霊が義経に対する恨みを晴らそうと襲いかかってきます。
前半は、西国に落ち行く悲劇の武将・義経とその恋人・静との別れ、後半は怨霊・知盛との激しい戦いなどスペクタクルで見どころ満載な作品です。
長命の祖父を持つ主人が、益々長生きしてもらうには「カタツムリ」を食べさせれば良いと聞き、太郎冠者に取ってくるように命じます。ところがカタツムリを見たことがない太郎冠者、藪の中で寝ていた山伏をカタツムリだと思い込んでしまいます…そこは平和で楽しい狂言の世界、奇想天外な結末を迎えます。
鞍馬山の僧が稚児を大勢引き連れて花見をしていますと、山伏がやって来ます。一行は立ち去るのですが、一人残った稚児が山伏に話しかけます。稚児が牛若丸だと知った山伏は、連れ立って桜を眺め、自分はこの山の大天狗だと明かして飛び去ります。翌日、牛若丸の前に大天狗が現れて兵法の秘伝を授け、牛若丸の守護を約束してくれます。
こちらは義経の幼年期の話で、鞍馬山に預けられた不遇な時代に天狗に兵法を習ったという有名なエピソードを主題にした作品で、陽春公演にふさわしく可憐な花見のシーンもお楽しみ頂きます。
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