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今月の博多座はミュージカル「ラ・マンチャの男」。
松本幸四郎さんが1969年から40年以上にわたって演じ続けているの。
長女の松本紀保さんは、役名の一つドン・キホーテにちなんで名付けられたそうですよ。
それくらい思い入れのある役柄なんですよね。
1969年に帝国劇場で4月に初演、12月に染五郎さん(当時)は、ご結婚。
翌年1月半ばから、ニューヨークへ。そして、3月からブロードウェイで
ドン・キホーテを演じるのよ。
しかもブロードウェイは10週間よ。1970年って日本では大阪で万国博覧会が
開催された年で、ようやく「こんにちは世界の皆さん」なんて音頭を歌っていた時に、
すでに国際的だったなんて、すごいわぁ。
その時の様子など、パンフレットに詳しく書いてあるので、ごらんくださいね。
さて、内容は。
投獄されるセルバンテスとして登場する松本幸四郎さんだが。
牢獄の囚人を巻き込み、ドン・キホーテの即興劇を展開する。
劇中劇のようでいて、いや、どっちがリアルなんだ?と境目がなくなってくる。
名セリフが多いのもこの芝居の特徴よね。
「いちばん憎むべき狂気とはあるがままの人生にただ折り合いをつけてしまって、
あるべき姿のために戦わないことだ」
なんて言葉は、いい加減に暮らしているから、グサッとくるのよ。
夢ではなく現実のことですが。
今年はこの博多座公演から始まり「ラ・マンチャの男」が、東京帝国劇場で
幸四郎さんの誕生日8月19日に上演回数1200回という記録を達成するんですって。
誕生日、それも古希ですって。偉業達成ですね、ドキドキ。
松本紀保さんや松たか子さんも、子どもの時から、て言うか、生まれる前から
お父さんがドン・キホーテ役をしていたのよ。
なので「ラ・マンチャの男」は幸四郎さんの歩みだけではない。
この演目は、松本幸四郎さんのご家族の歴史と寄り添ってきたともいえるわね。
松本紀保さんは、アントニア、そして演出補として。
松たか子さんは10代の時にアントニアでミュージカルデビューし、
2002年にアルドンザ役に。それが博多座の舞台である。
その10年前の博多座の舞台、拝見しましたよっ。
当時もステキだったが。今と比べると元気で若いアルドンザだったなと思い出しました。
今回は存在感がすごくあるのよ。やさぐれ感や、後半での情感もでてますよね。
その時、舞台を見た感想は、いい人にならずに、社会と戦ってもっとツッパッて行こう、ってドン・キホーテにものすごく共感したのよ。
誓いもむなしくへなちょこになり、夢も忘れてあっというまに10年経ったな、と、
しょんぼり。
そして、今回は、アルドンザに心が動きました。
誰かから大切に思われると、人は変われるし自信がつくってこと。
同じ舞台なのに、こんなにも感情移入する人や感想が変わるのか、と
驚かされます。なので、また10年後にも見たいものです。
そのときこそ、自分の見果てぬ夢に近づいていたらいいですよね。
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