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今月のトコの博多座探検

2015年06月

お得な夜の部。なかなか見られない演目に感動!

今月は、中村翫雀改め四代目中村鴈治郎襲名披露です。
おめでとうございます。
おめでたい襲名披露の演目に、なにが選ばれたか、というと。
昼の部は
「播州皿屋敷」「連獅子」「曽根崎心中」
夜の部は
「ぢいさんばあさん」「口上」「芸道一代男」
です。
ううむ、どちらを見に行こうかな、(もちろん両方見たいのですが、
この原稿の締め切りもあるので)、悩んだ末。
夜の部にしましたよ。
というのも「ぢいさんばあさん」「芸道一代男」は見たことがない演目だったから。
どちらも博多座では初めての演目ですよね。
きっと襲名披露の演目に選んだのには、何か意味があるに違いない、と思ったの。

感想を先に言いますが。夜の部を選んでよかったです。
トコは、夜の部が、絶賛おすすめだわよ。

どちらもセリフ劇で、わかりやすい上に。
「ぢいさんばあさん」は、森鷗外の小説が原作。
若い夫婦が別れて暮らすことになり、三十七年ぶりに再会するのですが。
庭にはえていた桜も大きくなり、すっかり老夫婦となっています。
夫・伊織を中車さん、妻・るんを扇雀さんが演じるのよ。
若かった夫婦が年老いて、再び会う第三幕が見どころ。
お二人の静かな芝居で、こんなにも観客に情愛を伝えられるものかしら、
と、しみじみしました。
中車さんの歩き方が、最近めっきり老いてきた実家の父とそっくりで
久しぶりに電話をしようかな、と思ったわよ。

さあ、そして、「芸道一代男」です。
この演目は、成駒家の成り立ちを芝居化した珍しい作品。
初代鴈治郎が、中村姓になる前に「實川雁二郎」と名乗っていた頃の半生記ですが。
パンフレットの四代目鴈治郎さんのインタビューによると。
「芸道一代男は、うちの家でしか上演しない芝居。
家のルーツが芝居になるのは珍しいことですし、作品の中に、
うちの芸や、うちの芝居のにおいがちりばめられています。
襲名披露で上演するのにいいんじゃないかなと思いました」
とのこと。やはり演目には、それぞれ選ばれた意味があるのよのね。

上演記録を調べたら、前回が、平成元年。その次が今月の博多座なので、
本当に、めったにない機会だわよ。 

あらすじは、大阪の大店の跡取りが、苦難の時期を経て歌舞伎俳優となり
頭角を現す。自分と母親を捨てた父・中村翫雀との確執などもあり、
ドラマチックで、波乱万丈な初代の半生です。
構成も、歌舞伎には珍しく、劇中劇があり。
劇中で「河庄」の治兵衛を演じますが。
これは、初代鴈治郎の当たり役。
なので、普通は、掛け声が「成駒家っ!!」と飛びますが。
このシーンに限っては、芝居ではまだ「實川」なので「河内屋っ!」
と、客席からも声がかかります。
ふふふ、このあたりも予習しておくと、楽しめますね。
しかも「河庄」は今年4月の東京歌舞伎座での襲名披露で上演された演目。
その、ほっかむりの治兵衛が劇中劇で見られるなんて、
そうとうお得ですよねっ。 

いろんなタイプのお芝居を演ってきた成駒家さん。
これからも、どんなことに挑戦してくれるのか楽しみです。

トコさんイラスト201506

歌舞伎の時はロビーに豪華なお花が。

Profile:
コラムニスト。朝日新聞等でコラムを連載中。福岡在住。
著書「わたし主義でいく!」(講談社)
コラムニスト トコ。
tokotoko@tokodesu.com
トコ公式HP、劇的にリニューアル!
http://www.tokodesu.com
トコの『ハイパーコメンテーター日記』
http://gogo105.seesaa.net/
日経PCオンライン『新米モバイラーの、明日はどっちだ?』
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/NPC/20060517/238215/

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