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今月のトコの博多座探検

2016年10月

細かいところまでこだわった 石井ふく子さん演出の舞台

今月の博多座は。

山本周五郎原作・石井ふく子演出の「おたふく物語」です。

山本周五郎と聞けば、数々の名作を書かれた作家。

歴史上の大作家のようなイメージですが。

石井ふく子さんは、

「山本周五郎先生の仕事場にお邪魔して、作品のドラマ化をお願いし、

大切な作品だからちゃんとやってくれ、とおっしゃったおたふく物語・・・」

とパンフレットに書いてありました。昭和30年代のエピソードです。

うわあ、そんなすごい方と、直接お話ししたり交流なさっていたのか、

そして、今でも現役で演出をされている石井さんのすごさに感動します。

 

なんと、石井さんは、

テレビ番組最多プロデュース・世界最高齢の現役テレビプロデューサー

に続き、昨年、最多舞台演出本数で、

3つ目のギネス世界記録に認定されたのよ。

そしてこの「おたふく物語」(明治座公演)初日に90歳を迎えられたんですって。

これからも仕事は続きます、との石井さんの言葉に、

私たちも、もう歳だから、なんて言ってられないわっ、と勇気をもらいますね。

 

さて、舞台の主演は、藤山直美さんです。

たまたま知人と劇場で会いましたら。

「わたし、藤山直美さんの大ファンなのよ。大阪に暮らしていたので」

と、開演前から、目をキラキラさせていました。

やはり、大阪に縁のある人にとっては、藤山直美さんは特別な方なのよね。

ほんとに、登場してすぐに、会場を沸かせるんだもの。

ちょっとした動きで笑わせるセンスは、ピカ一ですね。

そんな、喜劇的な要素をちりばめながらも。

情に訴えるお話しです。

 

江戸の下町に住む、おしずさんという、おっちょこちょいだけど、控えめで、

心が温かく、芯の強い女性が、ひそやかに、彫金師の貞二郎に秘めた思いを寄せているのよ。

 

その思いの寄せかたが、けなげ。

彼の彫金の作品を、買い集めて、抱きしめる、だけで満足、という設定。

当時の彫金は、おそらくとても高価で、おしずにとっては、大変な買い物だっただろうに。

いくつも持っているのよ。

 

そしたら、ある日、貞二郎の彫金の師匠から、

貞二郎との縁談をおしずはすすめられるの。

それをきいた、控えめすぎるおしずは、

「罰が当たります」

と、叫んで、飛び出してしまうの。

 

さあ、この後、おしずと貞二郎の縁談は、どうなる!!

と、かたずをのんで見守りました。

 

ほんと、今みたいに、携帯で、

「付き合ってください」

とメッセージ送ったり、

絵文字で、ハートハートハートと送信したりする軽さとは違う、

思いの深さ、そして、伝えられないもどかしさが、

携帯電話なんてなかった時代に育った世代には懐かしいですわ。

そうそう、それに、

どこにいるかわからなかったりして、心配するのよね。

現代は

「いまどこ?」

なんてラインして、

「りょーかい」でしょ。

すっかり薄っぺらになったもんですわ。

気をもむ時間が、愛を育てたな、と思いだしたわ。

 

さて、話は変わって。

途中、場面転換で降ろされる幕が、そりゃあ素敵なのよ。

 

道具幕、と呼ばれる幕なんだそうですが。

 

かんざしや帯留めなどが描かれていますが。

もちろん、彫金の作品なのでしょうね。

 

ほかにも小道具など、細かいところにまでこだわった、

石井ふく子さん演出の舞台をじっくりご覧ください。

笑いながらも、すっかり優しい気持ちになれました。

おたふく物語

                 秋の雲は、魚っぽいね。

おたふく物語ページ

Profile:
コラムニスト。朝日新聞等でコラムを連載中。福岡在住。
著書「わたし主義でいく!」(講談社)
コラムニスト トコ。
tokotoko@tokodesu.com
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