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今月のトコの博多座探検

2017年09月

総立ちでカーテンコール!!

今月の博多座は「幽玄」

坂東玉三郎さんと太鼓集団・鼓童の

「能」を題材にした舞台です。

 

鼓童と言えば、全力全身で太鼓を打つイメージですね。

そんな鼓童と玉三郎さんがどんな舞台を見せてくれるのかしらん。

 

期待と、

(芸術的なはずだから理解できるかしらとの)不安でいっぱい。

初日に出かけましたが、

 

理解とかそういうことではなく、

本能でビンビンと感じることができました。

 

「すんばらしい、すごい舞台を見たわ」

と、いまでも気持ちが高ぶってます。

 

観客の皆さんも同じ気持ちだったのでしょう。

何度も何度もカーテンコールがあり。

客席総立ちで万雷の拍手が鳴り響きましたよ。

東京公演が完売、というのもうなずけるわ。

 

そこで、少し落ち着いて何がすごかったのか、

を考えてみたいと思います。

 

演目は、羽衣に始まります。

羽衣は、主人公は天女。

漁師白瀧が、浜辺で美しい衣を見つけ

持ち帰ろうとします。

衣は天の羽衣で、天女は返してほしいと願います。

羽衣なしでは天に帰ることができません。

しかし、白瀧はききません。

 

では舞を見せる、と約束するのですが。

白瀧は、承知しません。

返してしまったら、そのまま天に帰ると疑うのです。

 

「疑いは人間の心にあり、天に偽りなきものを」

 

白瀧は衣が返すと、

天女は羽衣をなびかせ優雅に舞い、

地上に宝を降らすと、

やがて天空へと消えてゆきます。

 

という物語。

 

まずは、薄暗い舞台に、締め太鼓が並んでいます。

鼓童メンバーが静かに登場し、

ひそやかに太鼓を打ち始めます。

 

細かい振動のような音です。

緻密ですが、自然の音のような。

でも、鼓童の手元を見て見ると、

人が手を動かして鳴らしています。

 

これまでの、

力強く太鼓を打ち鳴らす鼓童のイメージとは

全く違います。

 

ひそやかな音で、身体は微動だにせず、

ただバチだけが、音を紡いでいる。

 

太鼓からは、

大地のうねりのような、様々な音色が聞こえます。

動きと音の大きさを抑えている分

我慢から生まれる、耐える美しさが感じられます。

歌声は、グレゴリオ聖歌をほうふつとしました。

 

そして、

羽衣は約50分間上演されるのですが。

 

その間ずっと、細かい振動のようなリズムで

太鼓をたたき続けるのです。

 

なんという、体力と精神力。

鼓童メンバーは玉三郎さんとの舞台のために

どれだけの鍛錬を積んだのでしょうか。

 

そんなことが、じわじわと伝わってくるのよ。

 

「あまりに伝統にこだわり過ぎると

その段階で革新は生まれなくなる」

と、玉三郎さんは鼓童に伝えたそうよ。

 

そこで、打ち鳴らすのではなく演奏する太鼓に

挑戦することになったそうよ。

 

高いハードルを自らにも課して

探求し続ける玉三郎さん。

その玉三郎イズムが、たっぷり楽しめる舞台です。

 

幕間後の、石橋では、女形の玉三郎さんが、

獅子の舞で、勇壮な毛ぶりを見せてくれるの。

福岡では初披露の演目ですって。

これまた、革新よね。

後ろの方なんて、

「ええー、白い獅子が、玉三郎さんなのぉ」

と、たいそう驚いてらしたわ。

わかるわかる。

 

玉三郎さん、鼓童さん、

たくさんの驚きと感動をありがとう。

と、総立ちのカーテンコールで私たちも

舞台に気持ちを伝えましたよ。

 

静かだけど、アツい舞台、ぜひ見てほしいわ。

黒豆アンパン

「博多座9月公演限定」

運盛 金の黒豆あんぱん。

 

しめしめ、これを食べて開運開運。

250円です。


『幽玄』ページ

Profile:
コラムニスト。朝日新聞等でコラムを連載中。福岡在住。
著書「わたし主義でいく!」(講談社)
コラムニスト トコ。
tokotoko@tokodesu.com
トコ公式HP、劇的にリニューアル!
http://www.tokodesu.com
トコの『ハイパーコメンテーター日記』
http://gogo105.seesaa.net/
日経PCオンライン『新米モバイラーの、明日はどっちだ?』
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/NPC/20060517/238215/

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